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(小林尹夫-哲学ルーム)

『君たちは―』(第28 回 ・最終回)・社会主義とは何か(3) 『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)-私の読書体験ノート

 人類史の未来とはいかなるものか。

 現代の国家独占資本主義体制は、その資本主義的国家と権力は、人民の闘いと人民の力によって、人民の権力たる人民評議会の手によって打倒され、階級無き社会―共同体国家・共同体社会が生み出され、やがて社会主義へ、最終的には共産主義へと発展していく。それが歴史の発展法則である。われわれはすべてを哲学・歴史科学 的世界観に徹するよう呼びかける。 われわれは一貫して次のような科学的世界観、歴史科学観を提起する。

 

 

全世界人民の掲げるべき闘争スローガン(10項目)

 

 

人類とその社会は永遠の過去から永遠の未来に向かって運動し、発展し、爆発し、収れんされつつ前進していく。そのエネルギーは人間の生きる力であり、その物質的表現としての生産力である。

 

生産力の発展がその度合いに応 じて生産関係としての人類社会(国家)を作り出していった。それは最初の原始共同体、次の奴隷制封建制、資本主義制、そして社会主義へと一貫して生産力の発展が生産関係 (国家) を変化させていった。これからもそうなる。

 

物理学が証明しているとおり、 すべての生物は環境が作り出していく。人類もまた環境の産物であり、進化していった。環境が人間を変えていく。新しい環境と新しい社会は新しい型の人間を作り出していく。

 

人類の歴史を見ればわかるとおり、一つの支配権力、一つの国家形態 が永遠であったことは一度もない。歴史は常に運動し、変化し、発展し、転換して次々と新しい時代を作り出していった。そして歴史を見ればわかるとおり、変化は静かで一直線ではない。爆発と収れんは歴史法則である。歴史は必然を持って前を目指すが、その過程では常に偶然が伴う。偶然は必然のための産物であり、偶然は必然のための糧である。そして必然の世界とは人民の人民による人民のための世界であり、より高度に発展したコミュニティー社会である。歴史は到達すべきところに必ず到達する。

 

コミュニティーとは何か。人民による人民のための人民の世界とは何か。それは、国家、社会、生産活動の運営目的を、最大限の利益と利潤追求のみに注ぐのではなく、すべてを人民の生活と文化水準と社会環境の安心・安全・安定のために注ぐ。  

 

 生産第一主義、物質万能主義、 拝金主義、弱肉強食の国家と社会ではなく、人間性の豊かさと人間の尊厳と人間としての連帯と共生の国家と社会にする。

 

 金と物がすべてではなく、人間の心と自然の豊かさが第一であり、姿や形けの美しさではなく、働く人びとの生きる姿と心の美しさが第一であり、一人だけで急いで先に進むのではなく、遅くてもみんなが一緒に進む。

 

人類とその社会は生まれたときから環境の産物であり、歴史的なものであった。環境が変われば人類とその社会も変わる。国家と権力が変われば人類社会は変わる。

 

そのための力こそ、すべて人民のための・人民による・人民権力であり、その具体的表現たる人民評議会である。運動と闘いの中でいたるところに評議会を組織せよ。人民の要求、人民の意志としてここでする。そして権力として、歴史時代が求める自らの責任と任務を執行させる。

 

人類が最初にはじめてつくった社会は、原始的ではあったが、そこにはまさに共同と共生と連帯の人間的社会があった。そしていくたの回り道をしたが、その間により大きくなってもとに帰る。つまりより高度に発達した近代的コミュニティー国家と社会へ。ここから本当の民主主義にもとづく人間社会、人民社会が生まれる。こうして、人類は総力をあげて大宇宙との闘い、新しい闘い、宇宙の開発と開拓の闘いに進軍するであろう。

 

                     2020年8月15日  完

 

 次回より、「世界恐慌(1929年大恐慌リーマンショック)とソビエト社会主義」を連載します。更新は毎月10日です。