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(小林尹夫-哲学ルーム)

2023-01-01から1年間の記事一覧

「ショウコウ」とあだ名されて  ~いじめと差別に関する哲学的考察~ (第4回 2023.12.25)  

〈少年Nの手紙 №3〉 僕の家庭のことは前にも書きましたが、母は相変わらず一日中休みなく働いています。が、責任ある部署についているので、それなりの給料はもらっているようで、今は多少の蓄えがあるから安心して、と言います。学歴で随分苦労させられた…

「ショウコウ」とあだ名されて ~いじめと差別に関する哲学的考察~(第3回 23.11.25)  

〈哲学者Kの手紙 №2〉 君のお母さんは介護施設で朝から夜中まで、寝る暇もなく働いているとのこと。お母さんを大事にしてやって下さい。「働く」ということは家族にとって重要な意義を持っているだけでなく、社会の諸問題を考える上からも、非常に大きな意…

「ショウコウ」とあだ名されて  ~いじめと差別に関する哲学的考察~ (第2回 23.10.25)

〈哲学者Kの手紙 №1〉 死んではなりません!勿論、殺してもなりません!絶対に!どちらにせよ、何の解決にもならないからです。自分或いは相手を殺す前に、こうしたイジメの本当の原因は何なのか、何故このような馬鹿げたことが起こるのか、それを考えるこ…

「ショウコウ」とあだ名されて  ~いじめと差別に関する哲学的考察~ (第1回 23.9.25)            

2000年11月末、氷雨が降りしきる、いかにも寒く暗い日の夕暮時、浦和の街外れにあったKの住いに一通の封書が届けられた。知り合いの出版社から送られて来たものであった。そこに一通の手紙が同封されていた。差出人住所は「東京都新宿区××町2‐3‐4‐…

独ソ戦争―その科学的考察 ~歴史の危機と「スターリン批判」~ (第16回) 

『独ソ戦争 絶滅戦争の惨禍』(大木毅・岩波新書)批判 2023年2月10日更新 次回更新は2月20日 終章 スターリン・ソビエト人民の偉大な勝利 大木氏はその著書の「第5章」「終章」で、あらためて自らの「独ソ戦争観」を次のようにまとめている。 『ドイツが遂…